年金は65歳から受け取ることができますが、受け取る前に亡くなってしまった場合どうなるのでしょうか。
今回は、年金受給前に死んでしまった場合にどうなるかについて紹介します。
年金受給前に死んでしまったら年金は払い損?
年金受給前に死亡した場合、「遺族年金」、「寡婦年金」、「死亡一時金」の支給がある
年金を受給する前に亡くなった場合、これまで支払った年金保険料が戻ってくることはありません。
しかしながら、遺族は遺族年金・寡婦年金・死亡一時金を受け取ることが可能です。遺族がこれらの年金を受給するためには条件があるため、詳細を説明していきます。
遺族年金
遺族年金は国民年金や厚生年金の被保険者が亡くなった際に、残された家族に対して支払われるものです。夫が死亡した場合と妻が死亡した場合で内容が異なるため、それぞれ説明していきます。
夫が亡くなった場合、職業・子供の有無・妻の年齢によって支給額が変わってきます。
- 夫の職業が自営業者の場合、遺族基礎年金のみの支給となります
- 夫の職業が会社員かつ子供がいる場合、遺族基礎年金+遺族厚生年金が支払われます。
- 子供がいないかつ妻の年齢が64歳以下の場合、遺族基礎年金は支給されません。
- 子供がいないかつ妻の年齢が40歳〜64歳の場合、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます。
出典:「遺族年金」
一方、妻が死亡した場合、子供がいない65歳未満の夫は遺族基礎年金も遺族厚生年金も支払われない形となっています。
出典:「遺族年金」
独身かつ会社員の場合は、父母もしくは祖父母に対して遺族厚生年金が支払われます。
独身かつ自営業の場合は、この後説明する死亡一時金が支払われます。
寡婦年金・死亡一時金
寡婦年金は国民年金を10年以上支払っている夫が亡くなった場合、その夫と10年以上の婚姻関係のある妻に対して60歳から65歳の間のみ支払われるものです。
死亡一時金は国民年金を3年以上支払っている方が亡くなった際に、遺族に対して支払われるものです。死亡一時金は12万〜32万と少額となっており、葬儀費用にも足りません。
また、寡婦年金と死亡一時金を受けることが出来る場合は、どちらかを選択する必要があります。
出典:「寡婦年金と死亡一時金とは?」
まとめ
今回紹介した内容はいかがでしたか。
昨今未婚率が高くなっている日本において結婚していない人は、年金受給前に亡くなってしまったら払い損になってしまう場合があります。※国民年金の被保険者の場合、死亡一時金12万〜32万のみ。
結婚していても妻が亡くなった際は条件が冷遇されているため、共働きが主流となってくる現代においては時代遅れな制度設計だと思います。
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