年金は受給可能になったら勝手に振り込まれるものではありません。
自身で受け取りの手続きをしないといけないのですが、受け取り方によって得するケースと損するケースがあります。
今回は、1番お得な受け取り方法についてご紹介します。
年金の給付パターンを理解しよう
年金給付のパターン
年金給付は以下の3つパターンが存在しており、65歳に達しなくても給付されるパターンがあります。
老齢年金
老齢年金は、国民年金から給付される「老齢基礎年金」と、厚生年金から給付される「老齢厚生年金」とに分けられます。
障害年金
病気や怪我によって障害認定された方に支払われる年金です。
遺族年金も国民年金から給付される「障害基礎年金」と、厚生年金から給付される「障害厚生年金」とに分けられます。
注意点として
・初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
になります。
遺族年金
国民年金、厚生年金に加入している人が亡くなった際に、家族に支払われる年金です。
遺族年金も国民年金から給付される「遺族基礎年金」と、厚生年金から給付される「遺族厚生年金」とに分けられます。
遺族基礎年金の注意点として、
・受給資格期間が25年(300月)以上ないと受給されない。※国民年金を20歳から支払って45歳以上の方でないと受給対象にならない。
・配偶者に子供がいない場合、受給することができない。
・受給者の年収が850万円以上ある際は、受給することができない。
遺族厚生年金の注意点として、
・受取人が30歳未満で子供がいない妻の場合、給付期間は5年間のみとなる。
・受取人が夫の場合、55歳以上でないと給付されない。
・受給者の年収が850万円以上ある際は、受給することができない。
おすすめな年金の受け取り方
iDeCo or 企業型DCを利用している方向けの受取り方
個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業DC)を利用していた方が老齢年金を受け取るには、60歳にiDeCoや企業DCを老齢一時金として受け取り、老齢年金を70歳まで繰り下げ受給するのが一番良いです。
理由を一つ一つ説明していきます。
iDeCOや企業DCを老齢一時金として受け取る場合、所得税が適用されるとともに退職所得控除が適用されます。※企業からの退職金制度がない前提
勤続年数:40年の場合、2,200万円の退職所得控除が適用されるので、最小限の所得税で老齢一時金を受け取ることができます。
そのお金で60歳から70歳までの10年を過ごして、70歳から老齢年金を受給すると老齢年金が繰り下げ受給になります。
繰り下げ受給は繰り下げた月数×0.7%が増額されるため、70歳まで繰り下げた場合、5年×12ヵ月×0.7%=42%増額になります。
老齢基礎年金の平均受給額は月額56,049円のため、42%増額すると老齢基礎年金のみの場合、月額79,589円になります。老齢厚生年金と合計した合計受給額の平均は月額146,162円のため42%増額すると月額207,550円になります。
iDeCo or 企業型DCを利用してなく老齢基礎年金と老齢厚生年金を受取可能な方向け
もし、老齢基礎年金と老齢厚生年金を満額受け取らなくても当面の生活費に困らないようであれば、老齢厚生年金だけを繰り下げ受給するのがおすすめです。
年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金それぞれで繰り下げ受給するか選択することができます。※どちらか一方のみを繰り下げすることも可能です。
そのため、当面の生活費に困らないようであれば老齢基礎年金だけを65歳から受給し、老齢厚生年金を70歳から受給することで老齢厚生年金の受給金額を水増しすることができます。
まとめ
今回ご紹介した内容はサラリーマンの方を対象(老齢厚生年金受給者)としたものになります。
積立金額や年金受給額によっても適切な受け取り方法は変わってくるため、今回の内容を参考に自身の最適な受け取り方法を確認しましょう。
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