おはようございます。
終身保険は、一生涯の死亡保障があるだけでなく、解約の時期によってはまとまった額の解約返戻金が払い戻されるため、老後資金として提案されることがある保険商品です。
一見して損がしないように見えますが、中身をきちんと理解すると加入した時点で損をする加入してはいけない保険だということがわかります。
今回は終身保険がいらない理由について紹介したいと思います。
老後資金: 終身保険より他の選択肢を選ぶべき理由
終身保険は入ったタイミングで損をする仕組みになっている
終身保険が一生涯にわたり、いつ死亡しても規定の死亡補償金を得ることができる保険です。また、解約の時期によって解約返戻金が戻ってくるものが一般的です。
終身保険の具体的な例を見ていきましょう。
次の表は、ある人に提案された「米ドル建て終身保険」の契約内容で、死亡保障15万ドル(約2250万円)に対して、支払う保険料の累計額と、解約時に払い戻しされるお金(解約返戻金)の比較表になります。
出典:「日経ビジネス」
経過後1年の返戻率を見ると29.2%しかなく、自身が支払った保険料に対して約70%のお金が消えていることがわかります。この70%は保険会社の利益+手数料に消えていることになります。
そして経過年数が20年を経過しないと返戻率が100%を超えてこないことがわかります。
20年間お金を定期的に支払って元本が手に入る商品を購入する理由は何でしょうか?
これであれば、そのお金を使って自身で株式などに投資した方が良いと思います。
終身保険(生命保険)を20年以上継続できる人は限られている
次に返戻率が100%を超える20年以上保険を継続している人が、どれくらいいるか見ていきましょう。
保険ショップの「ほけんの窓口」(ほけんの窓口グループ)が公表している、新規加入から5年間の契約の継続率(2021年度実績)を基に推計すると、ある契約が20年後まで続いている可能性は約55%しかありません。
出典:「日経ビジネス」
20年もあれば、家庭環境や収入状況は変わって保険料を払い続けるのが困難になることもあると思います。
そうなると加入した人の約45%の人は途中解約をして、払った保険料よりも少ない解約返戻金しかもらえていないことがわかります。
老後資金のためと思って終身保険に入るのが間違いであることがわかります。
保険はあくまでも発生する確率が低く、発生した際にかかる費用が大金である事象に備えるものです。
どうしても生命保険が必要な人は掛け捨ての保険に入ることをおすすめします。
まとめ
老後資金を貯めたいのであれば、保険に回したお金を自分で投資した方が最終的なリターンは高くなる可能性があります。
貯蓄のために保険に入るのは、目的に対して手段があっていないためやめましょう。
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